日本地域看護学会誌
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Print ISSN : 1346-9657
4か月児をもつ母親の母乳育児の実施に関連する要因の検討
松村 寛子河村 奈美子山内 まゆみ加藤 登紀子
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2009 年 11 巻 2 号 p. 68-73

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抄録

目的:地域で4か月児を養育する母親を対象に,母乳育児の実施に関連する要因を心理社会面に焦点を当て明らかにし,地域における母乳育児支援の方策を検討する基礎的資料を得ることを目的とした.方法:B市の4か月児健診を訪れた4か月児の母親216名を調査対象に,無記名自記式質問紙調査を実施した.調査項目は基本属性,母乳育児の実施,母乳育児のきっかけ,母乳育児のサポートに関する項目であった.結果:返送を得られた138名のうち有効回答の得られた137名を分析対象とした.94.2%が母乳育児に関心があると回答した.母乳の実施には「子どもの出生順位」,「母乳育児への関心」,母乳育児に関心がある理由として「児に飲ませるのが楽であると思う」,「母親教室の受講経験」,母親がサポートを必要とした時期の「助産師からのサポート」,家族の「評価的サポート」が関連していた.考察:対象者は母乳に高い関心をもっていた.母親の母乳育児の実施には飲ませるのが楽であるという母親側が日常的メリットを感じることが重要であり,母乳育児確立時期までの支援が求められると考える.また,第1子をもつ母親への支援の充実ならびに家族を巻き込んだ母乳育児の推進活動,母親のニーズの高い時期に適切な支援が受けられることが母乳の実施要因としては重要であると考える.

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© 2009 一般社団法人 日本地域看護学会
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