日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
母親を育児サークルへ「つなげる」保健師の支援 : 軽微な育児不安や孤立感をもつ母親への行為に焦点を当てて
岡田 尚美和泉 比佐子松原 三智子波川 京子
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 15 巻 1 号 p. 119-125

詳細
抄録
目的:軽微な育児不安や孤立感をもつ母親を育児サークル(以下,サークル)へつなげるための保健師の支援を明らかにすることを目的とした.方法:保健師5人を研究参加者とし,サークルへつなげるための支援について半構造化面接を行った.分析は要約的内容分析を参考に行った.結果:母親をサークルへつなげるための支援には,母親への直接的な働きかけとサークルまたは代表者への働きかけがあることが明らかとなった.また,支援は時間経過に沿い5つの期が見いだされた.サークル紹介時は,【サークルがイメージできる具体的内容を伝える】【参加による利点を伝える】など,サークル紹介後から初参加までは【連絡をすることでかかわり続ける】【代表者に母親への配慮を依頼する】などであった.サークル初参加時は【代表者に直接紹介する】【同じ場にいて母親を見守る】など,初参加後から継続参加までは【初参加後の感想を聞く】【母親の情報を代表者と共有する】など,継続参加時は【健診などで継続的にかかわり母子の状況を確認する】【代表者とかかわり続ける】などであった.考察:母親をサークルへつなげる保健師の支援とは,母親の不安を軽減するために,具体的な情報提供による参加への動機づけ,信頼関係の確立を目指しながら主体性を尊重した見守り,母親の状況を継続的に確認しながら評価を行うことであった.
著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本地域看護学会
前の記事 次の記事
feedback
Top