日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
就園前の発達障害の特徴をもつ子どもの保護者のための個別育児支援プログラムの効果
中山 かおり佐々木 明子田沼 寮子森田 久美子
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2013 年 15 巻 3 号 p. 41-50

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抄録

目的:就園前の発達障害の特徴をもつ子どもの保護者のための個別育児支援プログラムを試行して,プログラムへの参加による保護者の子どもへのかかわり方の変化を明らかにし,プログラムの有効性を検討することを目的とする.方法:12組の就園前の発達障害の特徴をもつ子どもとその保護者を対象に,週1回,全8回のプログラムを提供した.プログラム終了後に,保護者に対してインタビュー調査を実施した.結果:プログラム参加者の子どもの平均月齢は37.9±7.2か月であった.プログラムへの参加による参加者の子どもへのかかわり方の変化では,〔子どもとしっかり遊ぶ〕〔子どもをほめる〕〔子どもの言動をまねる〕といった,【育児行動の変化】がみられた.また,〔育児への自信をもつ〕〔育児を楽しむ〕〔育児へのストレスが軽減する〕〔子どもを愛しく思う〕といった,【育児感情の変化】がみられた.考察:プログラムの有効性として,【育児行動の変化】からは,肯定的な育児方法の獲得,子どもの特徴に合わせた育児方法の獲得,子どもとかかわる方法の獲得の可能性が考えられた.【育児感情の変化】からは,育児自己効力感の高まり,育児ストレスの軽減,子どもへの愛情の深まりに有効である可能性が考えられた.

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© 2013 一般社団法人 日本地域看護学会
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