目的:住民ボランティアの見守り対象高齢者数とその活動や活動満足感・負担感との関連を明らかにすることを目的とした.
方法:高齢者見守り活動を担う住民ボランティアの1,812人(100%)を調査対象者とし,無記名自記式質問紙調査を実施した.調査項目は基本属性,過去1か月間の見守り対象高齢者数,見守り活動,見守り関連活動,地域高齢者社会活動尺度,見守り活動満足感・活動負担感尺度である.住民ボランティア1人当たりの過去1か月間の見守り対象高齢者数が0人の者を0人群,1人以上5人以下の者を少人数群,6人以上の者を多人数群の3群に分類し,基本属性と見守り関連活動の項目はχ2検定,地域高齢者社会活動尺度と見守り活動満足感・活動負担感尺度の項目は,一元配置共分散分析と多重比較を行った.
結果:749人(66.8%)を有効回答数とし,分析対象者とした.見守り対象高齢者数が多いほど,見守り関連活動のグループ援助活動の実施者が占める割合や地域高齢者社会活動尺度,見守り活動満足感尺度得点も有意に高かった(p<.001).活動負担感尺度得点は少人数群が0人群と多人数群と比して有意に低かった(p<.001).
考察:見守り対象高齢者数が多いほど見守り関連活動の実施頻度が高くなること,見守り対象高齢者数と活動満足感は影響することが明らかになった.活動負担感は,見守り対象高齢者数が多すぎることやボランティアの役割を担うこと自体により増大し得ることが考えられた.