日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
市町村保健師が新たに立ち上げた活動の事業過程としての特徴
安齋 由貴子吉田 澄恵麻原 きよみ村嶋 幸代佐藤 憲子酒井 太一
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 7 巻 1 号 p. 55-61

詳細
抄録
本研究は,市町村保健師が新たに事業を企画,実施し,定着させていくプロセスを分析することによって,保健師活動における事業過程の特徴を明らかにすることを目的に行った.研究方法は,3市町で実施した5事業の企画・運営に携わった保健師6名に半構成的面接を行い,質的記述的研究方法を用いて分析を行った.この結果,9カテゴリーが見出された(「住民の実態を把握し,対応の必要性を判断する」,「地域に必要な対策案について,その妥当性を検討する」,「組織の理解を得ながら,実施の機会を判断する」,「事業実施のために住民の体制を整え,試行的に対策案を実施する」,「国,県,町の政策に位置づける」,「事業実施のために行政組織および組織間の体制を整える」,「事業の継続に向けて,住民の主体性を育成し,自主的活動を支援する」,「事業の効果を評価する」,「事業の発展・拡大を企画する」).また,これらのカテゴリーから,市町村の事業として実施する時点で,保健師は,すでに住民のニーズを把握し,実施のために準備を整えていることが明らかになった.また,国や県の施策,またはモデル事業や補助事業などを常に意識して情報収集し,必要な事業をこれらに位置づけるという方法を用いて事業化していた.さらに,常に評価を行いながら,地域全体に波及する事業へと発展・拡大させていた.
著者関連情報
© 2004 一般社団法人 日本地域看護学会
前の記事 次の記事
feedback
Top