抄録
本研究の目的は,全校児童が250人程の小学校で児童会活動の一環として学校規模のソーシャルスキル教育(Social Skills Education :SSE)を実施し,ソーシャルスキルと学級満足度にどのような影響を与えるかを検討するものである。実施した結果,4~6年生の児童の配慮スキルとかかわりのスキルがともに有意に向上し,特にかかわりのスキルは1%水準で有意であった。さらに,全校児童の学級満足度尺度の被侵害得点が有意に下がり承認得点が有意に向上した。対人関係育成のプログラムを教育課程の中に位置付けたり特別に授業時間の中に組み入れたりしない児童会活動の一環として行った学校規模のソーシャルスキル教育であっても,ソーシャルスキルの習得を促すだけでなく,児童の社会的適応状態を良好にできることが明らかになった。