本研究は,通常学級に在籍する特別支援の必要な児童の学級生活満足感とスクールモラールについて,学級の雰囲気によって差異があるのか否かを検討することを目的とした。2013年6~7月に,公立小学校6校の児童2,087名(男子1,054名,女子1,033名)および学級担任(67名)に調査を行った。調査対象の学級および児童を,「学級の雰囲気H群で対象児が在籍しない学級の非対象児(1タイプ)」,「学級の雰囲気H群で対象児が在籍する学級の非対象児(2タイプ)」,「学級の雰囲気H群で対象児が在籍する学級の対象児(3タイプ)」,そして,「学級の雰囲気L群で対象児が在籍しない学級の非対象児(4タイプ)」,「学級の雰囲気L群で対象児が在籍する学級の非対象児(5タイプ)」,「学級の雰囲気L群で対象児が在籍する学級の対象児(6タイプ)」,に分類し,学級満足度尺度の承認,被侵害,学校生活意欲尺度の友人関係,学習意欲に差異が見られるかを検討した。学級の雰囲気の高低が非対象児と対象児にかかわらず児童の学級満足度および友人関係形成意欲や学習意欲に関連していることが明らかになった。
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