学術情報処理研究
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Print ISSN : 1343-2915
原著論文
サーバ集約を考慮した局所冷却システムの効果
本村真一大野賢一木本雅也目黒一成井上仁石田雅西田英樹
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2010 年 14 巻 1 号 p. 89-96

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抄録

大学の情報系センターにおけるサーバルームは、高速計算機の設置を前提として設計されていることが多い。しかしながら、近年では高速計算機の設置を取りやめる大学も増え、また設置されるサーバもラックマウント型サーバやブレードサーバのように小型化し、単位面積当たりの発熱密度が増加している。さらにはサーバ仮想化技術の普及によって、サーバに搭載するCPUやメモリが増加し、サーバ単体の発熱量も増加する傾向にある。このような変化により、サーバルームに占めるサーバの設置面積は減少しつつも、サーバ単体の発熱量は増加している。そのため、空間的な熱の偏りが発生し、従来の部屋全体を冷却する方式では対応できないことがある。また、電力使用量の点からも適切でないと考えられる。これらの対策として、部屋全体を冷却するのではなく、サーバを搭載するラックを集中的に冷却する、局所冷却方式が注目されている。鳥取大学総合メディア基盤センターでは、サーバルームの冷却方式について比較検討した結果、APC社製InRow RP DXという精密空調装置とHACSソリューションを用いることで局所冷却を実現し、サーバの適切な冷却と電力使用量の削減を実現した。

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© 2010 学術情報処理研究編集委員会
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