学術情報処理研究
Online ISSN : 2433-7595
Print ISSN : 1343-2915
原著論文
工数低減を求めた大学Web情報システムの共通開発アーキテクチャ
松村 宣顕古畑 智博長谷川 孝博
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2019 年 23 巻 1 号 p. 153-162

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抄録

本論文では内容の異なる複数の大学Web情報システムを開発するためのアーキテクチャを紹介する.全学規模のシステムの開発やITサービスの導入において,アカウント管理とシステム開発の工数低減は大きな課題である.提案手法は,Shibboleth,クラウド,WordPressといった既存技術を組み合わせ,かつ,共通の開発アーキテクチャとすることで工数低減を求める.構成員約12,000名の国立大学の情報系センターにおいて提案手法を適用した.結果,提案手法を用いて内容の異なる3つのWeb情報システム(電子書籍配信システム,Webホスティングシステム,IPアドレス管理システム)の実装が可能であった.新規開発プログラムは独自開発のWordPressプラグインのみとできた上に,ソースコード行数も300行未満に抑えられた.システム開発と運用実績で得られた知見から,提案手法はアカウント管理とシステム開発の工数低減に有効であることが示された.提案手法は少ない工数でShibboleth SP(Service Provider)としてWeb情報システムを実装できるため,大学におけるShibboleth SPの充実に貢献する.

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© 2019 学術情報処理研究編集委員会
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