日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
胸腔洗浄,醸膿膜切除術で治療し得た陳旧性肺結核後有瘻性膿胸の一例
武市 悠卜部 憲和朝井 克之
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 20 巻 2 号 p. 184-187

詳細
抄録
症例は83歳,男性.陳旧性肺結核後に肺膿瘍から有瘻性膿胸を生じた.基礎疾患に糖尿病があり,年齢等を考慮し侵襲の大きい治療は望めなかった.そのため抗生剤投与により肺膿瘍を治療しつつ胸腔洗浄を行い,膿胸腔の菌陰性化を確認してから,膿胸腔の狭小化を目的として胸腔鏡を用いた醸膿膜切除を施行した.経過は良好で,膿胸の再燃を見ることなく退院となった.本例は開窓術を行うことなく有瘻性膿胸を治癒せしめることが出来たことから,compromised hostに対する治療の選択肢の一つになると考えられた.
著者関連情報
© 2006 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top