日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
症例
好中球減少を伴う急性骨髄性白血病に合併した肺非定型抗酸菌症の1手術例
松倉 規小阪 真二國澤 進澁谷 祐一岡林 孝弘
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 20 巻 7 号 p. 933-937

詳細
抄録

著明な好中球減少を伴う急性骨髄性白血病の治療前精査で胸部異常影を認め,手術にて肺非定型抗酸菌症と診断された症例を報告する.症例は55歳,男性.急性骨髄性白血病で血液内科入院中に左上肺野の腫瘤影を指摘された.気管支鏡検査では確定診断は得られなかった.画像上は肺癌や肺結核,肺真菌症などの感染症が疑われた.術前血液検査で白血球数1460/μl,好中球数226/μlと好中球減少が著明であった.白血病治療を早期に開始する必要があり手術を行った.術中針吸引にて肺非定型抗酸菌症と診断され左上区切除術を行った.術後G-CSFは使用せず,抗生物質はパニペネムと硫酸アミカシンの2剤を投与した.術後肺炎や創部感染などの合併症なく良好に経過した.

著者関連情報
© 2006 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top