抄録
症例は61歳, 男性.主訴は, 血痰・喀血.右下葉の肺動脈瘤が急速に増大し, 手術目的にて入院となった.肺動脈瘤と下大静脈血栓症の既往からHughes-Stovin症候群と診断した.右下葉切除術を施行し, 術後にコルヒチン1mg/日とプレドニゾロソ30mg/日の投与を行った.外来でプレドニゾロンを15mg/日まで漸減していったが, 10ヵ月後には両肺に残存した肺動脈瘤は消失し, 血痰・喀血も寛解した.しかしながら本症の病態・治療は未だ確立されておらず, 今後とも症例を蓄積し検討が必要であると考えられた.