2020 年 8 巻 p. 89-105
著者らは、外国語の習得を通じて異文化に開かれた態度や他者と積極的にかかわってゆく態度の育成を目指したフランス語教育の指標となる『フランス語の学習指針』の策定を推し進めている。2019年度は、コミュニケーション活動を支える語彙・文法の学習を促進するために、語彙・文法学習モデルを構築し、これを『フランス語の学習指針』(ver.1.0)に統合し、4つの高等学校で研究授業を実施した。本稿では、研究授業で得られたデータをもとに、『フランス語の学習指針』に基づいた授業の有用性を検証した。その結果、語彙・文法学習モデルに沿った指導は効果的であり、『フランス語の学習指針』に基づいた授業は生徒たちから高く評価されていたことが示された。