沿岸域学会誌
Online ISSN : 2436-9837
Print ISSN : 1349-6123
論文
協働型資源管理にみるエコ統治性の諸相コスタリカにおけるウミガメの保全事業を事例に
武田 淳及川 敬貴
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 27 巻 3 号 p. 51-62

詳細
抄録

要旨:本稿は、コスタリカにおいて見られる「環境による統治」を国家と地域の両側面から分析することを目的とする。そのアプローチとして、Foucaultの統治性概念を応用したエコ統治性論に基づき、国家レベルの資源管理体制が構築されるプロセスを整理すると共に、それに対する地域の反応を明らかにする。事例として取り上げるオスティオナル村は、ヒメウミガメの産卵地として知られ、住民と保護区による協働資源管理が行われてきた。この管理体制が構築される過程を、地域の視点から明らかにする作業を通じて、地域社会を「上からの統治性」の客体として捉えていた従来のエコ統治性論を再考する。

著者関連情報
© 2014 日本沿岸域学会
前の記事 次の記事
feedback
Top