抄録
イタリアは現在、EUの統合的な情報社会政策と協調して、イタリア文化省を中心に情報技術を利用した様々な計画に取り組んでおり、EUレベルでは欧州文化科学資源デジタル化に関するプロジェクトを、また国内では多様な形態の自国文化遺産リソースを世界へ発信する国立ポータルサイトを構築した。鑑みて、在伊日本美術資料の情報発信の現状はどうだろうか。本稿ではまず、イタリアが先導的役割を果たしたいくつかのEU文化資源デジタル化プロジェクトと国立文化ポータルに着目して報告をする。次に在伊日本美術資料のデジタル化の現状、およびデジタルアーカイブの実践を通じた日本美術資料の研究利用実現へ向けた資料の電子化の提案をしたい。