2015 年 15 巻 7 号 p. 7_72-7_89
2004年留萌支庁南部の地震(MJ6.1)の際、K-NET港町観測点で1Gを超える加速度記録が得られた。まず、港町観測点の表層地盤の非線形化が現れる周波数範囲を確認するため、H/Vスペクトルのピーク周期に基づいて、本震時と余震時の地盤の固有周期の違いを調査した。次に、港町観測点を含む震源近傍の3観測点の記録に適合するように、既往研究で得られた震源モデルを調整し、地震動シミュレーションを実施した。震源から比較的遠い観測点の振幅の小さい成分では、理論地震動が観測記録を過小評価した。その要因を分析するために、震源モデルに関するパラメトリックスタディと、不均質性を考慮した地盤モデルを用いた検討を行った。その結果、震源から比較的遠い観測点では、地盤の不均質性を考慮することによってシミュレーションの精度が向上することを示した。