日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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論文
地表の地震動の自己相関関数の逆解析に基づく傾斜基盤構造の増幅特性の推定
渡辺 哲史加藤 研一
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2016 年 16 巻 1 号 p. 1_19-1_31

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抄録

地表1地点の地震観測より得られる自己相関関数の逆解析から、傾斜基盤構造の増幅特性をどの程度推定できるかを2次元FEMで検討した。はじめに仮想サイトを対象に、直下地盤の1次元モデルが既知との前提のもと、正解となる2次元モデルの自己相関関数をターゲットとして、傾斜角と表層減衰を未知パラメタとした簡易2次元モデルの同定を行い、同定されたモデルによる増幅特性が元の2次元モデルによる正解値を概ね再現することを示した。つぎに、実サイトに本推定手法を適用し、その有効性を確認した。また、実観測記録の自己相関関数が、水平成層サイトでは1次元モデルで、傾斜基盤サイトでは2次元モデルで概ね説明できることを示した。

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© 2016 一般社団法人 日本地震工学会
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