抄録
2014年長野県北部の地震MJ6.7における地震動強さの分布を把握するため、2014年11月30日から12月2日の期間に震源域周辺の墓石転倒率を調査した。また、その結果を地盤震動の観点から考察するため、各地で単点微動観測を実施し、水平上下スペクトル比(H/V)を評価した。建物被害が集中した白馬村堀之内周辺の墓石転倒率はほぼ100%であり、既往の墓石転倒率と震度の関係に基づくと、この結果は震度7に相当する。この地域の微動H/Vは、他の地域とは異なるスペクトル特性を示し、地盤条件が特有であることが考えられる。明瞭な地表地震断層が認められた白馬村大出の墓石転倒率は、上盤側で13~56%(平均して震度6弱相当)、下盤側で0~23%(平均して震度5強相当)と違いが見られた。その他、小谷村、小川村、長野市で調査を実施し、本地震の震源域における震度5弱以下から震度7相当の地震動分布を墓石転倒率より明らかにした。