大地震の際に被害を引き起こすような強い地震動がどの程度の範囲で, どのような条件下で生ずるのかを把握するために, 1995年兵庫県南部地震後に発生し, 震度6弱以上を観測した計21地震における推計震度分布図を用いて, 激震動の出現面積やその地盤条件について整理した.地震規模と出現面積の関係を翠川・五艘(1997)による過去の地震での関係と比較したところ, 震度6弱以上の出現面積は同程度であるのに対して, 震度7の出現面積は小さい傾向にあることを示した.これは, 近年の地震は山間部で発生したものが多く, 震源付近は揺れにくい岩盤上にある場合が多いためと考えられ, 震度7の発生要因として表層地盤の影響が大きいことが再確認された.
抄録全体を表示