日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
浦安地区の地盤材料物性の把握と東北地方太平洋沖地震におけるK-NET浦安地震記録を用いた基盤上昇波の推定
金田 一広中井 健太郎野田 利弘浅岡 顕澤田 義博
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2016 年 16 巻 4 号 p. 4_155-4_166

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抄録

東北地方太平洋沖地震では東京湾沿岸域の埋立て地盤で広範囲な液状化被害が発生した。今後発生する巨大地震に対して液状化対策を行う上で、今回の地震被害について検証する必要がある。このような地盤変状について再現シミュレーションをするためには地盤情報と入力地震動の評価が重要であるとともに、複雑な現象を再現することのできる弾塑性有限変形解析が必要である。本研究では土骨格構造の働きを記述できる弾塑性構成式(SYS Cam-clay model)を用いて、まず、浦安地区で詳細な地盤調査を実施し、地盤物性の把握と共に弾塑性パラメータの同定を行った。次に、太平洋沖地震で観測された液状化の発生がみられず比較的非線形の影響が小さいと考えられるK-NET浦安の地表面加速度を取り上げ、この構成式を搭載した有効応力解析コードGEOASIAを用いて、EW、NS両方向の観測波を同時に再現するように基盤上昇波を伝達関数法によって推定した。

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© 2016 一般社団法人 日本地震工学会
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