抄録
関東平野を対象とした既往の数値解析手法のベンチマークテストでは、差分格子の間隔により後続表面波がチームにより異なるという問題点が指摘された。2013年度のベンチマークテストは2004年紀伊半島南東沖地震前震を用いて行われ、複数のモデルについて計算結果の比較検討を行った。差分格子を統一した均質・2層地盤モデルを用いたケースでは各チーム間で高い整合性が得られたが、モデル境界面からの反射波の処理の違いによる結果の差異が見られ、Q値の設定の違いが反射波に影響を与え、その設定方法に注意する必要があるという新たな課題が明らかになった。差分格子を統一せず、23層地盤モデルを用いたケースでは、差分格子の違いにより地盤構造の差異が生まれ、震源から遠方になるほど計算結果に影響を与えることが示唆された。