2016 年 16 巻 9 号 p. 9_86-9_99
本研究は,災害発生時の被害推定システムの一部である衛星画像による広域被害推定手法の検証のための被害者数分布と地震動分布の把握を第一の目的とした。その結果,距離減衰式へは適用できない被害分布と要因が得られた。次に衛星情報に対するグラウンド・トゥルース取得のための特定の区域における詳細被害調査を実施し,被害を受けた旧市街サクー (Sankhu) とコカナ (Khokana) の建物被害と建物種別の全棟調査を実施し,既存の被害曲線との比較を実施した。同時に,ネパールの伝統的建物の耐震に関する事項等の調査を実施し,伝統的建物の耐震性の優位性を把握した。