震災BCPの策定支援などを目的に,建物基本情報から構造耐力を推定し,1自由度系にモデル化した建物の限界耐力計算によって建築構造・非構造部材・建築設備の被害予測を行う簡易動的耐震評価方法を提案して,その被害予測精度を検証した.近年,2011年の東日本大震災に関する各種報告書の発刊や建物の地震観測記録の公開によって,施設情報,地震観測記録,被害情報などを複合して利用できる環境が整ってきたことから,28棟の建物を対象として簡易動的耐震評価方法による被害予測精度の検証を行った.この結果,提案した簡易動的耐震評価方法は応答をやや大きめに評価する場合があるものの,被害判定ではほぼ妥当な結果が得られており,複数の既往建物の耐震性調査や地震対策の計画段階などにおけるスクリーニング評価としては有効な方法となることが確認できた.