2018 年 18 巻 2 号 p. 2_95-2_114
震源断層を特定した地震動予測地図(シナリオ地震動予測地図)の作成にあたっては,震源断層モデルのパラメータの設定に伴う不確定性をカバーするために複数ケースが設定される場合が多い.本研究では,シナリオ地震動予測地図の地震動分布の空間分布および空間相関の特性を明らかにすることを目的として,その効率的な評価手法を提案する.具体的には,全ケースの地震動分布データに特異値分解を適用して地震動分布をモード分解し,左特異ベクトルによってばらつきのモード形状を示す.さらに,被害想定やリスク評価の高度化を目的として,元データの空間相関を満足する地震動分布のシミュレーション手法を提案する.具体的には,各ケースの地震動分布を特徴づける係数ベクトルを効率的なモンテカルロ法を用いて付与し,モード合成により地震動分布をシミュレーションする.石狩低地東縁断層帯主部の地震による計測震度分布を対象としたモード分解とシミュレーションおよび被害予測のケーススタディを示す.