日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
東日本大震災における仙台市水道管被害の分析
石田 栄介磯山 龍二
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 19 巻 1 号 p. 1_1-1_20

詳細
抄録

本論では,2011年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の仙台市水道配水管網の被害について,管種,管径,地形等の要因の影響を定量的に分析する.特に造成地の被害については,詳細な切盛厚さ分布データを用いて,切盛厚さや切盛境界からの距離と被害との関係について分析を行った.その結果,地形の影響が最も大きく,造成地の被害が沖積低地の3倍ほどにもなっていた.また,造成地においては,盛土厚さ3~7m,切盛境界からの距離が10~20mの盛土側で最も被害が大きかった.また,被害率と地震動強さの関係については,管種・管径・地形等の要因と地震動強さを組み合わせた集計結果に対する一体的な回帰分析を試みた.これを踏まえることにより,標準被害率関数と補正係数との整合性が高い被害推定式を考案した.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 日本地震工学会
次の記事
feedback
Top