日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
2016年熊本地震から2年経過した益城町市街地の被災建物の現況調査
角田 功太郎五十田 博井上 涼森 拓郎田中 圭佐藤 利昭
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 19 巻 1 号 p. 1_21-1_33

詳細
抄録

2016年熊本地震において悉皆調査が実施された建物を対象に,2年後の調査を実施した.調査の目的は,被害レベル,建築年,構造種別などと2年後の使用状況の関係を定量化することである.益城町の調査範囲において,約半数が現存しないことがわかった.加えて,当然ではあるが,被災した建物の建築年が新しいほど,あるいは被災した住宅の被害レベルが低いほど,継続的に使用されている割合が高かった.また,継続使用されている建物であっても,そのうちの37%には補修が施されており,外観調査上は無被害と判定された建物でも補修されている例も多くみられた.建替え後の構造は84%が木造であり,階数は平屋建てが最も多く,71%を占めていた.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 日本地震工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top