日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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2018年6月18日の大阪府北部の地震(MJMA6.1)で得られた箕面市とその周辺での強震動アレイ記録の特徴
上林 宏敏
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2019 年 19 巻 1 号 p. 1_68-1_81

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抄録

2018年6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震に対して,箕面市において独自に設置した地震計による強震観測記録を示すと共に,その周辺地点における各機関によって公表された記録と比較した.なお,箕面市における記録の一部にクリッピングが見られたため,提案した手法を用いて復元を行った.計測震度から推定した気象庁震度階級6弱相当及び擬似速度応答スペクトル(h=5%)のピーク値において100 cm/s程度を有する領域は,箕面市の萱野付近まで広がっている可能性を示した.箕面市に広がる地溝帯に起因すると考えられる地震動の特徴として,S波主要動部の直後に大きな振幅を持つ後続位相部が見られ,その東西成分が南北成分に比べて大きくなることをバンドパスフィルター波形とその粒子軌跡及びスペクトル分析から確認した.

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© 2019 公益社団法人 日本地震工学会
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