日本地震工学会論文集
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論文
関東平野における長周期地震動の伝播特性と震源位置による変動
寺島 芳洋福和 伸夫
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2019 年 19 巻 6 号 p. 6_16-6_35

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抄録

関東平野などの不整形な基盤に囲まれた堆積平野では,観測される長周期地震動の振幅や継続時間,卓越周期が震源位置により変動することが知られている.この原因として,震源位置の違いに起因する表面波の伝播経路の差異が考えられる.そこで,関東平野およびその周辺で観測された長周期地震動の伝播特性(振幅特性および位相特性と震央距離の関係)や表面波の伝播経路について検討を行った.その結果,震源位置や周期・成分によって伝播特性に差異があること,この差異の要因の一つとして震源位置により表面波が集中する場所が異なること,平野内部に対して盆地端部が取り囲むようにある場所や平野内を伝播する表面波が反射・屈折する盆地端部付近において表面波が集中しやすいことがわかった.

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© 2019 公益社団法人 日本地震工学会
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