日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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論文
強震記録に含まれる傾斜・沈下成分の分析
佐藤 智美
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2020 年 20 巻 7 号 p. 7_69-7_85

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抄録

佐藤(2020)では,大振幅強震記録の中には,上下成分の加速度波形を積分した速度波形が負の方向にステップ状になる,あるいは,負の方向に直線状のトレンドが載った後ほぼ一定となる値であるVnonが生じる記録があり,ダイレイタンシーの影響の可能性を指摘している.本研究では,多数の強震記録に基づき,Vnonが生じる場合,水平成分の速度波形は直線状の傾きをもっていることを示し,この傾きから地盤の傾斜の大きさと方向を推定した.傾斜の方向は震源近傍ではRadialに近く,傾斜角は断層モデルに基づき計算される地殻変動より格段に大きかった.また,Vnonが大きい記録には,過剰間隙水圧の上昇が指摘されている記録も複数あり,沈下に影響していると考えられる.したがって,表層地盤の非線形性に起因する傾斜を伴う沈下の影響が強震記録に含まれていると考えられる.

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© 2020 公益社団法人 日本地震工学会
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