日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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論文
液状化地盤上の道路盛土被害に関する一考察
―2016年熊本地震における被害調査結果を例としてー
栗林 健太郎原 忠坂部 晃子黒田 修一
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2021 年 21 巻 1 号 p. 1_46-1_63

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抄録

2016年4月16日に発生した熊本地震(Mj = 7.3)では,2度の強い揺れと液状化により震源域近傍の土木・建築構造物が被災した.益城町近傍の道路盛土は,広域な範囲で地震後に背面盛土が沈下し橋台背面に段差が生じたことで,地震後の交通に大きな支障をきたした.本研究では,橋台背面の段差被害が顕著にみられた益城町内を流れる木山川を対象に,被害の実態と要因を調べるため,現地調査と数値解析を行った.その結果,調査地点で生じた道路盛土の沈下は,盛土直下にある砂質地盤の液状化と,過剰間隙水圧の消散における盛土の圧密沈下が主要因であることが明らかになった.また,道路盛土縦断方向における測量結果から,橋台背面に発生する段差は橋台付近の背面盛土の沈下に起因するが,盛土区間全体で見ると沈下量が急変する要因が無ければ道路機能への影響は小さいことも分かった.一連の解析結果から,レベル2地震時の道路盛土の耐震設計における課題を整理し,液状化地盤上に敷設する道路盛土の縦断方向の沈下量を推定するための評価法の提案を試み,その適用性を被災例との比較から検証した.

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© 2021 公益社団法人 日本地震工学会
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