2021 年 21 巻 1 号 p. 1_65-1_81
地盤の地震応答解析に用いる複素剛性のために,応力-ひずみ関係が振動数に依存しないモデル化を示した.また,最大せん断応力と減衰特性を室内試験値と合わせたYAS(Yoshida-Adachi-Sorokin)モデルと名付けた複素剛性モデルを提案した.まず,最大せん断応力と減衰特性を合わせる複素剛性モデルは減衰定数が0.5以下でしかできないことを示した.さらに,最初にプログラムSHAKEに用いられた複素剛性であるSorokinモデル,現在標準的に用いられているLysmerが提案した複素剛性とYASモデルを比較,検討した.その結果,SHAKEは室内試験値に比べて最大せん断応力を過大評価すること,Lysmerの提案は,最大応力は室内試験値と一致しているが,履歴吸収エネルギーは室内試験値より小さいことを示した.ただし,Lysmerの提案によるモデルの履歴吸収エネルギーは,実務的に重要な0.3以下の減衰定数では,室内試験値に対する誤差は5%以下であることを示した.