2022 年 22 巻 1 号 p. 1_1-1_15
地震ハザード評価における「震源を予め特定しにくい地震」の発生頻度は,地震発生の特徴が類似すると考えられる地域内の地震活動から評価するため,地震地体構造区分やそれに基づく地震活動のモデル化の影響を受ける.この時,評価方法の不確かさが大きいことから,地震調査研究推進本部地震調査委員会が公表している全国地震動予測地図では,発生頻度の設定のために3つの方法を平均している.また,地震地体構造区分の境界設定には任意性が残る.そこで,本研究では,地震地体構造に関連する8つのパラメータに対し,主成分分析およびクラスター分析を組み合わせた統計学的な観点に基づく定量的な地震地体構造区分を試みた.分析結果は変動地形学・地震学,測地学,地質学・構造地質学という3つの観点の地殻構造特性から地震地体構造を区分したと解釈できる.本研究の区分方法は定量的な地震地体構造の違いを地震ハザード評価に反映する一方法として有用であると考えられる.