液状化を原因とする負傷や死亡,もしくは津波から逃げ遅れが生じた事例が,過去の震災で実際に存在している.東北地方太平洋沖地震以降,学校防災において津波に関する対策は大きく進んだ.しかし,液状化に関連した対策はどの程度行われており,液状化に対応した記述がどの程度あるのかは明らかになっていない.そこで本研究では,文部科学省ならびに各都道府県教育委員会が制作している防災マニュアル・パンフレットの調査を行い,学校教育において液状化に対応したマニュアル・パンフレットがどの程度作成されているのかを明らかにすることを目的とする.調査の結果,以下の3点が明らかになった.①防災マニュアルは近年発生した災害の影響を大きく受けており,直近の震災で大きな被害のあった内容が充実している.そのため,防災教育の資料が充実している地域においても,液状化関する記載は少なく,液状化については重視されていない②東北地方太平洋沖地震で液状化による甚大な被害を受けた千葉県が作成した資料は47都道府県でもっとも液状化に関する記載が充実していた.③液状化について具体的な記載があったのは千葉県,東京都,愛知県の3都県のみで全国的に液状化について具体的な記載をしている地域は少ない.