2024 年 24 巻 4 号 p. 4_57-4_66
本論文では,1960~70年代に建設された鉄骨造小規模住宅で見られる柱梁接合部のディテールを再現した試験体の構造実験と,耐震性能評価を行った.接合部の特徴は,1) H形鋼の梁が全周隅肉溶接でH形鋼の柱に接続されている,2) ダイアフラムがパネルゾーンに存在しない,であり,特に2) によって本邦の耐震診断基準では適用範囲外とされており,診断実務では評価困難となる場合がある.そこで本研究では,隅肉溶接のサイズをパラメータとした,ダイアフラムの無い柱梁接合部試験体4体の静的加力実験を実施し,強度・剛性や変形能力を評価した.