大地震で橋梁のゴム支承が破断した場合には支承交換が行われるが,その近傍の破断しなかったゴム支承の内部に損傷があるかどうかは目視点検のみで判断することが難しい.そこで本研究では,積層ゴム支承内における弾性波の伝播状況を数値解析により明らかにし,そのデータを用いて機械学習の異常検知技術による損傷検知を行った.まず,損傷を有しないモデルに対して衝撃弾性波法を適用して得られた観測波形を健全データとして機械学習させた.そのデータセットを利用して異常検知法のOne-Class Support Vector Machineを用いることにより,損傷として内部空隙を設定したモデルから得られた観測波を異常値と判定することができ,ゴム支承内部の空隙が検知可能であることを示した.
Furumura et al.(2023)は気象庁強震計の煤書地震記象紙から波形を自動読取りするConvolutional Neural Networkモデルを構築した.ここではこのCNNモデルの実用性を確認するため,彼らが学習に使用していない1940年神威岬沖の地震の煤書強震記録のスキャン画像にCNNモデルを適用して波形の自動読取りを行い,手動読取り結果と比較する.一部修正が必要な場合があるものの,多くの場合,自動読取り結果は手動読取り値と良い一致を示しており,CNNモデルの利用によってアナログ波形の数値化の手間を大幅に省力化できることを示した.