2025 年 25 巻 4 号 p. 4_1-4_11
2016年熊本地震により惣領橋では,左岸橋台を基準として中間橋脚が約30 cm沈下する被害が発生した.この被害に対して著者らは過去に砂質土地盤の液状化のみを考慮した解析を実施している.本研究では,砂質土の液状化に加えて阿蘇山由来の火山灰質粘性土の繰り返し作用による軟化を考慮し,2次元有効応力解析により中間橋脚の沈下被害に対して改めて検討を行った.その結果,粘性土の繰り返し軟化を考慮すると,中間橋脚の沈下の程度が大きくなること,また,短い時間間隔で発生する地震動により砂質土の再液状化が起こる可能性が高くなることが確認された.