2025 年 25 巻 4 号 p. 4_131-4_141
地震災害時における応答スペクトル分布の迅速な推定のために,等価線形スペクトルモーダル解析による非線形地盤増幅と,応答スペクトルの空間相関の周期依存性を考慮できる大野・柴山(2010)の手法を模擬する機械学習による代理モデルについて検討した.複数の手法を検討した結果,線形地盤増幅補正と空間補間による中間出力に対して深層学習ネットワークを組み合わせた方法を提案した.仙台市を対象に検討した結果,学習したモデルは,周期約1秒以下では非線形増幅の影響を考慮した応答スペクトル分布の推定に有効であり,常用対数標準偏差で約0.1程度の精度で既往手法の代理モデルとして使用できることを示した.一方周期約1秒以上では中間出力のままの方が精度が高い結果となったが,この原因としては,表面波の影響や今回考慮していないハイパーパラメータの周期依存性が考えられ,長周期の精度向上が今後の課題である.