2025 年 25 巻 7 号 p. 7_1-7_19
地震計の地震波形以外に地震動と被害を時間軸とともに記録したデータソースの一つとして,店舗カメラの映像がある.防災科学技術研究所では,イオン株式会社との連携協定により,集客施設が顕著な地震に見舞われた際の映像アーカイブを継続している.この地震映像アーカイブを利用し,映像と被害の関係性を明らかにすることで,事実に基づく対応・対策に資する.本研究では,店舗カメラで撮影された地震の揺れの最中の映像―地震映像をデータソースに,異常の有無を判別するモデルを構築し,評価した.特に,2値分類器としてのニューラルネットワークが,地震映像および同時入力するラベルデータの与え方によってどのような特性を持つのかを分析し,正答率向上のための知見を得ることを目的とした.初期モデルでは74%であった分類正答率 (Accuracy) は,入力として正解ラベル以外に動画IDをOne-hot表現で加える提案手法で学習した結果,同モデルにとって未知の地震映像に対して84%の分類正答率を達成した.