日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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1995 年兵庫県南部地震で液状化した埋立て地盤に建つ鋼管杭基礎構造物の被害原因と被害過程の検討
三輪 滋池田 隆明大岡 弘
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2004 年 4 巻 1 号 p. 5-22

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抄録

1995 年兵庫県南部地震で被災した鋼管杭基礎構造物に対し、多質点系の地盤構造物相互作用解析法と液状化後の流動の影響を簡易に評価する応答変位法を組み合わせた方法を提案し、被害原因と被害過程を明らかにするために、地震動の作用の時刻歴と対応して検討を行なった。地盤の有効応力解析と多質点系の地盤構造物相互作用解析により、まず液状化に至る前の主要動の最初で上部構造物の損傷が生じ、次に、液状化に至る過程の地盤震動変位によって鋼管杭基礎が損傷したことを明らかにした。さらに、液状化に伴う地盤の流動量を評価しそれを杭に応答変位法で与えることで、液状化に伴う地盤の流動によって残留変形を生じたことを明らかにした。

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