震度計の設置環境における計測震度の差異を地盤と建物内での変動に注目して、アレー観測記録を用いて定量的に考察したものである 。ここでは、過去15 年にわたり観測が実施されている東北工業大学6 号館の地震記録を用いて統計的な観点から自由地盤と建物1 階、4 階の計測震度の変動が分析される 。さらに、同じ設置条件による常時微動アレー観測を実施して地震動と常時微動における周波数特性の特徴などが比較される。計測震度の変動が回帰式として導かれるとともに、スペクトル解析によるスペクトル比が算定されて、計測震度変動の原因が周波数特性における観点から分析される。アレー観測によれば、建物1階では自由地盤に比較して、計測震度が統計的に約0.2 小さくなる。