抄録
防災科学技術研究所の基盤強震観測網 (KiK-net) のデータに基づいて、2003 年十勝沖地震、2004 年新潟県中越地震、2005 年福岡県西方沖の地震で強い揺れを観測した多数の地盤での増幅度を解析し、基盤-表層間のS波速度比 (Vs比) との関係を分析した。ここでは新たに、地表-基盤間でのスペクトル比のピークを生起する表層厚とその平均S波速度Vsを各ピークごとに1/4 波長則により定義し、基盤S波速度に対するVsの比 (Vs比) と対応するピーク増幅率の関係を調べた。まず、地表-基盤間の観測波の増幅率はVs比と正の相関があることが分かった。さらに、観測波増幅率と理論伝達関数を組み合わせて導いた基盤自由表面に関する増幅率はVs比と地震や地盤の違いに関わらずきれいな直線関係を示し、現在しばしば用いられるVs比 (地表から30m厚さの平均Vsを用いる) との相関関係より大幅に改善されることが分かった。ここで得られたVs 比と入射波増幅率との関係式は、Vs=3000m/sの地震基盤を含む広範な条件に適用できる可能性がある。