日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
8 巻, 1 号
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  • 近藤 智佳子, 三田 彰
    2008 年 8 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    本研究では, 圧縮強度の異なるコンクリートに対してドリル削孔試験を実施することで圧縮強度と相関が高いパラメタを抽出し, パターン認識手法の1 つであるサポートベクトルマシン (SVM) を用いて圧縮強度の自動判別を行う手法を提案した. コンクリートのドリル削孔時のパラメタのうち, 平均的な削孔速度, トルク等の物理量に加え, それらのばらつきを比較することで圧縮強度と相関の高いパラメタを抽出した. 抽出されたパラメタの組合せを検討し, 適切な特徴ベクトルを作成しSVM を構築することで, 精度よく圧縮強度が識別可能であることが判明した. 比較のために重回帰分析による推定も行ったがSVM による推定の方が精度が高いことがわかった.
  • 國生 剛治, 佐藤 克晴, 長尾 晋悟
    2008 年 8 巻 1 号 p. 16-31
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    防災科学技術研究所の基盤強震観測網 (KiK-net) のデータに基づいて、2003 年十勝沖地震、2004 年新潟県中越地震、2005 年福岡県西方沖の地震で強い揺れを観測した多数の地盤での増幅度を解析し、基盤-表層間のS波速度比 (Vs比) との関係を分析した。ここでは新たに、地表-基盤間でのスペクトル比のピークを生起する表層厚とその平均S波速度Vsを各ピークごとに1/4 波長則により定義し、基盤S波速度に対するVsの比 (Vs比) と対応するピーク増幅率の関係を調べた。まず、地表-基盤間の観測波の増幅率はVs比と正の相関があることが分かった。さらに、観測波増幅率と理論伝達関数を組み合わせて導いた基盤自由表面に関する増幅率はVs比と地震や地盤の違いに関わらずきれいな直線関係を示し、現在しばしば用いられるVs比 (地表から30m厚さの平均Vsを用いる) との相関関係より大幅に改善されることが分かった。ここで得られたVs 比と入射波増幅率との関係式は、Vs=3000m/sの地震基盤を含む広範な条件に適用できる可能性がある。
  • 酒井 久和, 山崎 誠, 八木 康夫, 伊津野 和行, 土岐 憲三
    2008 年 8 巻 1 号 p. 32-47
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    本研究は、滋賀県の大学キャンパスを対象にして、緊急地震速報を活用した想定東南海地震に対する地震対策について検討したものである。まず、東南海地震時における地表での加速度波形を1 次元非線形応答解析により求め、揺れの大きさと震源からの主要動到達時間について検討した。その結果、対象場所における揺れは震度5 弱で1 分ほど続き、直前対策行動可能時間は約30 秒であることがわかった。また、主要動までの猶予時間30 秒に対する学生の意識調査、キャンパス内での危険箇所調査、避難実験による避難時間調査などを実施し、大学キャンパス内の緊急地震速報に対する地震対策方法を提案した。
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