抄録
本研究の目的は,学校管理職へのキャリア形成における諸要因の影響関係を,副校長に対するインタビュー調査に基づいて検証することである。それにより,教員組織における学校管理職へのキャリア形成を取り巻く課題解決に向けて,有効な糸口を導く。研究にあたって,まず,学校管理職を中心とした教員のキャリア形成に関する研究の動向,キャリア形成における諸要因の影響に関する先行研究を概観した。次に,学校管理職へのキャリア形成に係る諸要因の影響関係は明らかにされていないという課題を見いだした。そこで,副校長へのインタビュー調査を行い,その結果に対して修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析を行った。そして,副校長は,学校管理職へのキャリア形成の過程で自分だけの一皮むける経験を通して,コミットメントを認識するとともに,キャリア・アンカーを獲得しているという結論を導くことができた。