抄録
2003年4月から2009年3月まで,当院外科で80歳以上の高齢者に腹部緊急手術を行った165例について検討した。男性76例,女性89例で平均年齢は84歳(80~97歳)だった。併存疾患は148例(89%)に認められた。術後合併症は106例(64%)に認められ,合併症群と非合併症群の間ではGCS,ショックの有無,脈拍数およびPTで有意差を認めた。術後30日以内の手術死亡例は44例(26%)に認められ,死亡群と生存群の間ではGCS,ショックの有無,脈拍数,Alb,K,BUN,Creで有意差を認めた。さらに術後合併症群と非合併症群との間には,POSSUMで算出されるPS,OS,predicted morbidity rate,predicted mortality rateとも有意差が認められ,これは死亡群と生存群との間でも同様だった。高齢者腹部緊急手術症例ではその予後予測としてPOSSUMが有用であることが示された。