日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
特集:急性虫垂炎の治療方針の変遷と現状
急性虫垂炎に対する医療経済を考慮した治療戦略
中川 了輔小杉 千弘幸田 圭史鈴木 正人山崎 将人手塚 徹今井 健一郎平野 敦史腰野 蔵人白神 梨沙安田 秀喜
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 32 巻 4 号 p. 757-763

詳細
抄録
急性虫垂炎に対する手術症例を後ろ向きに解析し,術式選択について検討した。対象は2007年10月から2010年10月に急性虫垂炎の診断で手術治療を行った66例。開腹虫垂切除術32例(以下,OA),腹腔鏡下虫垂切除術27例(以下,LA),単孔式腹腔鏡下虫垂切除術7例(以下,SA)である。これら3群間の治療成績,診療報酬につき検討した。術前に回盲部炎症を認めた17例中,回盲部切除を行ったのは2例。出血量,術後初回排ガス日,在院期間でLA+SA群で有意に良好な結果であった。従来,腸管切除を考慮するような急性虫垂炎症例に対しても,LAまたはSAで対応が可能である症例があり,まずSAで開始し,完遂困難な場合はトロッカーを追加し回盲部切除等に対応する治療方針を検討しても良いと考えられた。またDPC点数ではOA群が有意に高かったが,手術・麻酔点数を加味した入院1日当たりの点数ではLA+SA群が有意に高く,コストを削減することで,その有用性をより高めることができると考えられた。
著者関連情報
© 2012 日本腹部救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top