抄録
左側大腸癌イレウスは腸管の緊急減圧処置を必要とするoncologic emergencyの1つであるが,近年,本邦では経肛門的イレウスチューブを留置してイレウスを解除し1期的切除吻合をめざす治療法が主流となりつつある。2004年1月から2009年12月までに経験した左側大腸癌イレウス31例のうち本法を施行した30例を対象に,留置成功率,腸管の減圧成功率,手術術式などの治療成績をretrospectiveに検討し,経肛門的イレウスチューブ留置の有用性について検討した。留置成功率は80%(24/30),減圧成功率は79.2%(19/24)で,減圧成功症例では平均13.1日の待機期間後に手術を施行し,78.9%(15/19)に切除・吻合術が施行可能であった。留置直後に敗血症性ショックに陥った症例を2例経験したが,減圧成功症例に縫合不全を認めず,重篤な合併症も認めなかった。本法は左側大腸癌イレウスの有用な治療法と考えられた。