抄録
症例は開腹既往のない28歳,女性。突然の嘔吐,腹部膨満で発症し近医へ腸閉塞の診断で入院となった。経鼻胃管で減圧をしたが増悪し,絞扼も疑われたため,翌日当院へ搬送された。造影CTでは著明な小腸の拡張と,回腸遠位部に狭窄部と思われる所見を認めた。血流障害はないと判断し,イレウス管で腸管減圧を行った。イレウス管からの排液は連日2,000mL以上認めた。第5病日のイレウス管造影では腸管は減圧されていたものの,回腸末端と思われる部位に狭窄を認め,造影剤の通過は不良であった。保存治療に抵抗性と判断し,第6病日に手術療法に踏み切った。腹腔鏡観察では一塊となった回盲部を認め,子宮内膜症による癒着と診断し,腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した。病理診断において子宮内膜症による癒着性腸閉塞と確定診断した。術後経過は良好で術後7日目に退院した。腹腔鏡手術は腸閉塞の診断,治療に有効であると思われた。