日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
ポリスチレンスルホン酸カルシウム(アーガメイトゼリー®)内服中に大腸穿孔をきたした3例
中西 香企谷口 健次田中 健士郎平田 伸也園原 史訓神崎 章之横山 裕之望月 能成
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2015 年 35 巻 3 号 p. 355-359

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抄録

ポリスチレンスルホン酸カルシウム(アーガメイトゼリー®)は急性および慢性腎不全に伴う高カリウム血症の治療に用いられる陽イオン交換樹脂の一つである。副作用としては便秘をはじめとする消化器症状がよく知られている。また重大な副作用として腸管穿孔の報告があり,添付文書でも注意勧告がなされている。今回,同剤内服中に大腸穿孔を起こした3症例を経験した。本症例と文献的な検討を行った結果,穿孔部はS状結腸,直腸に集中していること,ほとんどの症例で便秘を認めることが特徴であった。本剤内服中に便秘になり,便塊が停滞し機械的な損傷から大腸穿孔をきたすものと考えられた。本剤を投薬する際には,浸透圧性下剤,刺激性下剤をうまく使いながら適切に排便コントロールを行うことが重要であり,関係者に広く啓発していく必要があると思われる。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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