日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
鼠径ヘルニア術後にメッシュプラグを介してS状結腸皮膚瘻をきたした1例
伊藤 慎吾高橋 玄小島 豊五藤 倫敏冨木 裕一坂本 一博
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2015 年 35 巻 4 号 p. 441-444

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抄録
症例は76歳の男性で,63歳時に左鼠径ヘルニアに対してメッシュプラグを使用した手術歴があった。左鼠径部の疼痛・腫脹を主訴に当院を受診した。CT検査で腹腔内より左鼠径部の皮下に続く膿瘍形成を認め,精査目的で入院となった。入院後に左鼠径部の皮膚は自壊し,排膿・便汁の漏出がみられた。注腸造影検査でS状結腸から皮下へ瘻孔と,S状結腸に多発する憩室を認めた。S状結腸憩室炎による結腸皮膚瘻を疑い,炎症所見の改善後に手術を施行した。手術所見では,メッシュプラグ先端がS状結腸へ癒着し膿瘍腔を形成していた。S状結腸切除・メッシュ除去・瘻孔切除を施行した。術後に創部感染を認めたが保存的に改善し退院となった。病理組織学的所見では瘻孔へ連続する憩室に炎症性変化を認めなかったことから,メッシュプラグによる腸管壁への物理的刺激が憩室穿孔を誘発した結果,皮膚瘻を形成した可能性が示唆された。
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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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