2017 年 37 巻 3 号 p. 449-453
症例は79歳男性。起床時からの腹痛を主訴に同日夜間,救急車で当院に搬送された。来院時,左側腹部に軽度の圧痛を認めたが,バイタルサインは保たれていた。腹部造影CTで上腸間膜静脈から門脈にかけての広範な血栓および上部小腸の浮腫状壁肥厚,腹水貯留を認め,上腸間膜静脈血栓症と診断した。即座にヘパリンナトリウムを使用した抗凝固療法を開始し厳重に経過観察を開始し,IVRや緊急手術を検討していたが,徐々に血栓の縮小と症状の軽快を認めワルファリンカリウム内服で一旦退院が可能となった。経過中に上部小腸の瘢痕性狭窄を生じ,待機的に腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した。術後経過は良好で,現在エドキサバンを内服し外来通院中である。